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風の中で

a0071722_19331075.jpg ボブ・ディランが歌う「風に吹かれて」の中に出てくる、「答えは吹かれている風の中にある」という歌詞が突然頭に浮かびます。耳に装着したイヤホーンから聞こえてくる音楽が、強風のためにほとんど聴き取れない状態。土曜日の昼下がり、博多湾に面した元寇防塁跡を歩いていました。湾内の海面は白波が立ち、玄海島は白く霞んでいます。

 防波堤に荒れた波が当たり、しぶきが空を舞っています。その先の海水浴場の砂でも飛んできたのか、水滴じゃないものが顔に当たりました。黄砂でもないし、何だろう? もちろん雨は降っていません。雲は多いものの、少しは晴れ間も覗いています。正面からの風をまともに受けて、歩くスピードにも影響が…結構きついものです。

 ブログ小説「あの蒼い夏に」はかなり遅れ気味だし、精神衛生上あまり良くない状態です。音楽を聴きながら散歩をすると気持ちが浮遊し始め、机の前の固まった状況と違って、ストーリー展開のアイデアが浮かぶことも度々あります。特にポリスの「見つめていたい(Every Breath You Take)」などのように、1980年代の懐かしい曲がかかると脳内はアルファー波に満たされて気持ちよくなり、アイデアがいくつも舞降りてきたりします。しかし、今日はイヤホン越しのゴーッという風の音に支配されイライラ、状態は最悪。今日、ヒントは風の中にはありませんでした。

 元寇防塁跡から小戸公園に足を向けると、そこには数本の八重桜が満開状態で美しく揺れていました。一組の家族が八重桜の木の下で弁当を広げています。公園内は風が少し弱まっていたものの、急な吹き上げがおこり、花びらが舞いました。子供が空を飛ぶ花びらを追っかけています。どうやら少しばかりイライラが治まってきたようです。
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by hosokawatry | 2008-04-27 19:45 | やさしく歌って・自由日記

緑の絨毯

a0071722_1524594.jpg 郊外に車を走らせれば、緑の絨毯を敷き詰めたような麦畑に出会えます。麦の穂が風にザーッと揺れると光の角度が変わり、緑のグラデーションがうねりを伴って波のように流れるので、とても綺麗です。70年代末に日本でも脚光を浴びたウェストコーストサウンド、J.D.サウザーのYou're Only Lonelyを聞くような爽やかで穏やかな気持ちになれます。

 その光景がとても気になったので、農道に車を止め麦畑を近くで眺めてみました。路肩に小さくて黄色い花が咲いています。遠くからは気がつかないその背の低い花は、誰にも気づかれずに静かに春の暖かい日だまりを楽しんでいるようです。

 麦畑の端の土もりに足をゆっくり踏み入れてみました。草が生えた黒い土を踏みしめます。体の重みで靴が沈み、沈黙を破られたカエルがぴょんと跳びはねました。濃厚な植物たちの匂いに、少年の頃の記憶が呼び覚まされます。緑の絨毯も間近で観れば、案外、頭の高さは揃ってはいない感じです。

 この麦は二条大麦という品種で、おそらく焼酎などの原料になるのではないかと思います。麦の穂の向こうには小高い丘のような山が広がります。山の稜線が春霞に柔らかくにじみ、日の光が短い影をつくる早い午後。カエルがごそごそ動き、麦畑の中に向かってもう一度ジャンプしました。
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by hosokawatry | 2008-04-21 01:56 | やさしく歌って・自由日記

じゃあ、またねとK君は言った。

a0071722_1932473.jpg Sさんから借りている北方謙三の「水滸伝」1〜5巻も、すいすいと読めずにまだ4巻の途中です。超大作なので、話が進むにつれ「新しい登場人物」が次々に出てきます。腐敗が蔓延している世の中を正そうと、国に対して戦いを挑んだ戦士たちの話で、中国の「明」時代に書かれたものです。北方謙三が反乱軍のナイスガイ達を印象的に書き記し、見事に整理されたストーリー展開が興奮を届けてくれます。

 この水滸伝は19巻?にもなる長いストーリーだとか。この先まだまだ長〜く楽しめそうですね。北方謙三の生まれ故郷が唐津ということもあり、ハードボイルド好きも手伝って、作者への個人としての好感度は高いものがあります。そして、この桜が咲く季節、彼の故郷「唐津市」は僕たちに大型「黒鯛」を釣る大きなチャンス(夢)を与えてくれます。

 昨年のリベンジとばかり、何やら「鼻息と肩の力」が遠くからでもわかるようなK君とふたりで、「唐津市の小川島」に出かけました。当日(4月5日)の海は穏やかで、海面が鏡のように凪いでいます。「凪の日」には釣れないという僕らの経験則は見事に的中。僕らは昨年に続き、またまた頭(こうべ)を垂らし肩を落として、帰路の「お魚村」に立ち寄るはめに。

 とはいえ、僕らも男です。坊主(収穫ゼロ)だけは何とか阻止しました。写真の30センチの真鯛、渾身の一尾。K君も仲良く一尾。何時間も海面を見つめ、結果、浮きが沈んだのはたったの2〜3度だけ。僕たちは別れ際に、徒労のむなしさと疲労が色濃く残る中でも「じゃあまたね」と、けっして諦めない「希望につながる挨拶」をかわします。水滸伝の反乱軍のようなけっして諦めない魂のように。
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by hosokawatry | 2008-04-13 19:39 | やさしく歌って・自由日記

ホークスは7−0で負けたけど。

a0071722_19205216.jpg 甲子園のアルプススタンドから流れてくるようなトランペットの応援メロディーを、10人前後の子供達が声で表現しています。「パーッ、パーパ、パパーッ、パ、………」と3塁側の応援席で懸命に声を張り上げて。

 満開の桜に囲まれた「曲田(まがりた)」スポーツ公園。二丈町を横切るR202の道沿いに、両翼91mで、外野の芝生が奇麗な野球場があります。「曲田の里」という農産品直売所で買い物をするため車をとめると、その公園の桜が奇麗だったので、つい足が向いてしまいました。

 少年野球の試合が行われていて、きちんと制服の審判がつき、バッターの名前のアナウンスもある本格的な試合です。応援席では保護者の懸命の応援が続きます。そして、冒頭のあの声によるトランペットの応援、けっこう微笑ましいのです。しかし、肝心のピッチャーがコントロールを乱して、四球を連発する姿に、こちらも「頑張れ」とついつい力が入ってくるではありませんか。

 そのチームのユニフォームはソフトバンクホークスとまったく同じもので、胸のSOFTBANKの英文字が違うだけです。チーム名は○○ホークスというんでしょう。制球を乱したピッチャーのせいばかりではないでしょうが、結局7−0でホークスが負けてしまいました。

 晴れ渡る青空、満開の桜に包まれた郊外の野球場。響き渡る少年たちの声。僕はホームベースをはさみ、試合後の挨拶をしている選手達を見ながら腰を上げました。負けたホークスの選手も精一杯の大きな声で挨拶をしています。とても気持の良い風景です。こころから笑顔になれる季節です。
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by hosokawatry | 2008-04-06 19:26 | やさしく歌って・自由日記